交通事故専門の弁護士

 

慰謝料

慰謝料とは,精神的苦痛に対する損害賠償のことです。
裁判基準の慰謝料額の目安は,次のとおりとされています。

  • 入通院慰謝料
  • 死亡慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 慰謝料の増額

入通院慰謝料

引用元:「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編) 2013」
発行 財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部

入通院慰謝料表

※別表Ⅱは、「むち打ち症で他覚症状がない場合」に適用。

入通院慰謝料表

[表の見方]
1.入院のみの場合は,入院期間に該当する額(例えば入院3ヵ月で完治した場合は145万円となる。)
2.通院のみの場合は,通院期間に該当する額(例えば通院3ヵ月で完治した場合は73万円となる。)
3.入院後に通院があった場合は,該当する月数が交差するところの額(例えば入院3ヵ月,通院3ヵ月 の  場合は188万円となる。)
4.この表に記載された範囲を超えて治療が必要であった場合は,入・通院期間1月につき,それぞれ 15月  の基準額から14月の基準額を引いた金額を加算した金額を基準額とする。
  例えば別表Iの16月の入院慰謝料額は340万円+(340万円-334万円)=346万円となる。

死亡慰謝料

実務運用

引用元:「交通事故損害額算定基準 -実務運用と解説- 平成22年1月 22訂版」     発行 財団法人日弁連交通事故相談センター

後遺障害慰謝料

■後遺障害慰謝料の支払基準の比較

表:後遺障害慰謝料の支払基準の比較

図:後遺障害慰謝料の支払基準の比較


■近親者の慰謝料は認められるか?

 死亡慰謝料においては,請求するのが近親者(相続人)であることもあり,上記の基準で,本人の精神的苦痛のみならず近親者の精神的苦痛も含んだものとして算定されています。
 しかし,重度の後遺障害の場合には被害者の介護を余儀なくされた近親者の苦痛を看過し得ないことから,近親者分が個別に算定される場合があります。
 判例は,死亡した場合に比肩するほどの精神的苦痛を受けた場合には近親者に慰謝料請求権が認めらると判示していますが(最判昭33・8・5判時157・12),実際にはやや広く認める傾向があるようです。

■後遺障害等級が認定されなかった場合(いわゆる「非該当」の場合)

 後遺障害慰謝料は,上記のとおり後遺障害等級ごとに算定されることから,自賠責保険において後遺障害等級が認定されなかった場合,つまり,いわゆる「非該当」の場合には,後遺障害慰謝料が発生しないのが基本となります。
 しかし「非該当」であった場合でも後遺障害が全くないわけではないことから,事案によっては裁判上後遺障害慰謝料が認められる場合が少なくありません。また,裁判上の和解であっても傷病内容によっては,慰謝料を認める場合も見受けられます。

慰謝料の増額

 加害者側に不誠実な対応がある場合など,特段の事情がある場合には慰謝料を増額する傾向にあります。これは,慰謝料は被害者の精神的な苦痛を慰謝するものであり,多分に主観的な法益を対象としているため,適切な金額を算出するためには,様々な事情に配慮する必要があることによります。
 どの程度増額するかは,個々の事案ごとに具体的に判断されることになります。
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